飲食店の店長といったら、そこそこの責任を持った威厳のある立場。
会社によっては店長という呼び名ではなく、店舗責任者など別の呼称だったりします。
重責を伴うために仕事内容はかなりハード。
あまりにもハードなためわざと店長は目指さないようにブレーキをかける社員もいるぐらい。
そんなハードな飲食の店長をやっていて疑問に思うことが、「給料」。とりわけ年収。
- 果たして自分の店長としての給料は平均と比べて妥当なのか?
- 飲食業での店長の平均年収ってどれ位?
- 転職サイトに載っている店長のモデル賃金って本当?
飲食店の店長をやっていて自分の給料に不満・疑問を抱える人のために検証します!
飲食店店長の平均年収
一概に給料と言っても色々なとらえ方があります。転職や就職活動をする際、主に見るのが「平均年収」ではないでしょうか。
年齢や業種によって若干の差異はあるものの、店長年収の一番多いゾーンが「300~400万」で約35%です。
次いで多いのが「400~500」で28%。
日本の飲食店長の平均年収ゾーンは、300~500万の人が60%だということがわかります。
しかし実際、300~500では上下で200万もの差があります。
これは会社選びを間違えると、200万もの年収を損してしまうことを意味しています。
年収で損をしないためのお店選び
よく飲食店の転職サイトなどを見ていると、
- 月給30万+賞与(年2回)/入社3年、店長34歳
- 月給35万+業績給+賞与/入社5年、統括マネージャー38歳
などの魅力的な謳い文句が書かれています。
果たして実際のところ上記のような給料を手にすることはできるのでしょうか?
本当にこれが飲食店の店長の平均給料なのか?
結論から言うと大手ではありえて、中小企業や個人経営の店舗では利益率によってはあり得ると言えます。
大手飲食店で高年収を狙う際の注意点
大手飲食店のチェーン店では社員の給与体系が事細かくビッシリと決まっているお店が多い。
昇給の基準や昇給額の幅は会社や規模によってまちまちですが、大手飲食チェーンの給与体系の例
- 研修期間:22万
- 社員登用:25万
- 店長昇格:28万
- エリアマネージャー:30万
上記のように概ね22万ぐらいから30万ぐらいの間で、役職ごとの差を設けて社員、店長の平均給料を決めている会社がほとんど。
制度のしっかりした会社であれば、年収500万を狙うのは現実にある話しです。
しかし注意点もあります。
中には、初っぱなのスタート給料が大手企業であるのに18万から。こんなケースも普通な会社も。
「あくまで研修期間のスタート給料」
のような事を謳いながら、実質なかなか昇給しない。しても2万ぐらい。
このような飲食店も実際に存在するので、転職や就職の際にはしっかりと内情を確認しておきたいところです。
また、「入社2ヶ月30才:月給28万円スタート→2ヶ月後月給40万円」
のように、極端で魅力的な宣伝文句をアピールしている会社が飲食店の転職サイトには非常に多いですが、
こういった事例はほとんどないと捉えた方が賢明でしょう。
というのも、もちろん広告に募集宣伝する以上は実例なのでしょうが、このような例というのはその会社で一人や二人というパターンが多い。
しかも神童的な存在で物凄い仕事のできる人間だったりするパターンで、過去にはそういう人もいたよ的なニュアンス。
可能性に魅力を感じてその会社に飛び込むのであれば良いのでしょうが、入社すればそのような出世が確実に待っていると考えているならしっかりと吟味する必要があります。
ついついこれが飲食店の店長の平均給料なんだと見てしまいがちなだけです。
またあまり誇大な募集をかけている求人は、大手であっても人手不足にあえいでいるブラック企業である可能性も高いです。
こういった見極めも慎重に行うよう注意しましょう。
中小企業・個人店で高年収は狙える?
中小企業や個人店では大手のような事細かい給与体系は定まっていないお店が多い。
それもそのはずで小さい飲食店では売上で給料が決まるというよりも、利益率で給料が決まっているからです。
大手飲食店では自分が店長レベルだと、固定費の内訳が開示されない事が多い。
自分の働いている店舗の家賃や光熱費、リース料などは詳細として開示されずに、固定費として大枠でくくられて数字を与えられる。
それに対して小さい飲食店ではこういった固定費の管理も、店長レベルで求められるお店もあります。
そのようなお店では売上が多いからといって給料が高いというわけではなく、あくまで利益率で決まるのです。
一体どうゆうことか?
例えば売上が月に400万のお店であれば、家賃50万、リース料・光熱費・修繕費・銀行ローン・減価償却で100万ぐらい。
仕入れが売上の25%(100万)で、同じく人件費も25%(100万)=FL変動費。
残り50万がオーナーの取り分(経常利益)。
100万の人件費の内訳で、バイトが5人いるとしたらそのバイトの月給を引いた分が自分の給料となるわけです。
だいたい25~30万の間でしょうか。
中小企業や個人店では、大手のような段階的な役職の振り分けや出世のパターンは定められていないお店が大抵なので、もし利益率の高いお店に勤めている(オーナーの取り分が10%以上)のであれば給料が上がる事は十分見込めます。
自分の働いているお店が中小企業や個人店で、固定費やFL変動費などの数字管理も担わされていてあからさまに利益が上がっているのなら、給与相談を持ちかけるのも一手です。
しかし反対に利益率が低いお店では、給料が上がるどころか会社も小さいので先行きの不安も抱えることになりますので、今後の自分の進路としてよく検討されたほうが良いでしょう。
とはいえ、こういった中小のお店の内情は入社してみないと分からない。
これから働くお店で、かつ中小で給料の良し悪しを判断する場合、「急な店舗展開」をしているお店は避けたほうが無難です。
なぜなら、人手不足の昨今にも関わらず、店舗を展開することで総利益を上げていこうというスタンスはかなり無理な要求をされます。
中小・個人であれば、その店でしか出せない味やサービスで、リピーターを増やす戦略を取るのが普通。
店舗数を増やすのでなく、既存顧客を既存店舗で徐々にふくらませる戦略をとっている会社の方が利益は上がっていきます。
結果、給料が良かったり労働環境が整っていたりします。
最後に:今のお店の給料が低いと感じるなら
飲食店の店長の平均給料はどこもそんなには変わるモノではありません。
だいたいが25万前後といったところです。年収に換算するとボーナス込みで350~450万ぐらいが妥当なラインでしょう。
- 稼いではいるが社会保険が無い
- 出世がしにくい構造になっている(タイミングで昇給)
- 年収は多いが長時間労働で休日が減る
今だにこういったお店は存在するので、細かい点に気をつける必要はあります。
また店長にも関わらず、上記の平均給料にも満たない。更に上のゾーン(450~500万以上)の年収を狙いたい。というのであれば、飲食専門の転職エージェントを使うのが必須です。
なぜなら、多数の店長を見てきた転職エージェントであれば、あなたの実力を客観視できるからです。
特に今は時代性もあって、繁盛しているお店と廃れているお店が面白いほどに2極化しています。そして繁盛しているお店ほど、仕組みはしっかりしている傾向が強いです。
状況によっては、今の年収が妥当なラインだというジャッジがされるかもですが、「店長でその年収では、かなりもったいないですね。」こんな判断をしてくれ、ハイクラスゾーンの転職提案を受ける。こういった事は今では普通の出来事です。
ぶっちゃけた話し、転職エージェントを使って転職し、年収380万⇒年収500万になった。こういった実例もあります。
確実に誰しもがそうなるわけではありませんが、年収があがれば選択肢が増え、将来的な不安が和らぐのは事実です。
休日や人間関係も重要ですが、お金(給料)はかなりのモチベーションUPに直結します。
- 年収の頭打ち感によりやる気が削がれている
- 会社の伸びしろが無く悩んでいる
という方は、とりあえず使ってみるのも一手です。
転職エージェントは登録したからといって必ず転職しなければいけないというモノではないので安心です。
飲食業ももはや、第三者の転職エージェントを介して就職するのが常識です。年収交渉も行ってくれるので、ぜひ参考にしてみて下さい。